スマホ119

専務ブログ

沖縄のスマホ修理のお医者さん

スマホ119 専務の現場ノート

専務ブログ現場から、次の119へ。

壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。

専務スマホ119 専務 富村 レオ
  • 修理歴 11たたき上げ
  • 8 店舗現場を統括
  • 育てる仲間と技術
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専務の富村レオが店舗の作業台でスタッフ2人に修理技術を指導しているイラスト 背中で教えて、言葉で渡す。
ゲームボーイミクロとゲーム&ウオッチ|小さい機械・改造図鑑⑲
2026.08.17 0

こんにちは、専務の富村レオです(^^)

改造図鑑、第19回。今日は小ささに振り切った機械を2台まとめて扱います。

ゲームボーイミクロと、ゲーム&ウオッチです。

時代は30年近く離れていますが、共通点があります。どちらも「小さいことそのものが価値」だった機械なんですよ。

手のひらに収まる小さなゲーム機2台を並べる4コマ漫画

ゲームボーイミクロ(2005年)

発売は2005年9月13日。価格は12,000円

このとき僕は7歳。小学2年です。

大きさを聞いてください。幅101ミリ、高さ50ミリ、厚さ17.2ミリ。重さ約80グラム。

今のiPhoneより小さくて軽いんですよ。

手のひらに完全に収まります。ポケットに入れても、入っていることを忘れるレベル。

そして、質感が異常に良かった

ミクロがいまだに人気な理由は、正直見た目と手触りだと思います。

本体はアルミの削り出し。プラスチックじゃありません。

ひんやりして、しっとりしていて、金属特有の重みがある。同時期のDS Liteがツルツルの樹脂だったのと比べると、完全に別路線でした。

これ、今の高級スマホがやっていることと同じですよね。アルミやガラスの質感で「良いもの感」を出す。

アルミ削り出しの質感と樹脂の質感を比較した図

画面が、めちゃくちゃきれい

もうひとつ驚くのが画面です。

2インチしかないのに、バックライト付きで明るく、発色がいい。

GBAの回で書いた「画面が暗い」問題、覚えていますか。あれを最終的に完全解決したのが、実はこのミクロなんですよ。

しかも明るさを調整できます。DS Liteの4段階と同じ発想です。

小さいけど見づらくない。むしろ当時いちばんきれいなGBAの画面でした。

ただし、致命的な弱点が

いいことばかり書きましたが、ミクロには大きな弱点がありました。

ゲームボーイとゲームボーイカラーのソフトが遊べません。

GBAのソフト専用です。DSiがGBAスロットを捨てた話と同じで、小型化のために互換性を捨てたわけです。

あと画面が小さいので、細かい文字のゲームはつらい。これは仕方ない。

結果、売れ行きとしては振るいませんでした。DS Liteが同じ時期に爆発的に売れていたのも大きかったと思います。

交換フェイスプレートという楽しみ

ミクロで特筆したいのが、前面のパネルを付け替えられることです。

マグネットと爪で留まっていて、工具なしでパカッと外せる。別デザインのプレートに交換できました。

これ、New 3DSの着せ替えプレートより9年早い。「殻を替えて自分のものにする」をメーカー公式でやった、最初期の例だと思います。

ゲーム&ウオッチ(1980年)

もう一台は、時代をぐっとさかのぼります。

発売は1980年4月。僕が生まれる17年前です。

これ、携帯ゲーム機の原点と言われている機械です。

セグメント液晶が決まった形だけを点滅させる仕組みの図

ドット絵ですらない

いちばんの特徴は画面です。ドットがありません。

使われているのはセグメント液晶。電卓や時計の数字表示と同じ仕組みです。

どういうことかというと、あらかじめ決められた形だけが、表示されたり消えたりするんです。

たとえば「キャラクターが3歩目にいる絵」が、液晶にあらかじめ焼き付けてある。それを点けたり消したりして、パラパラ漫画のように見せている

だから、自由な絵は一切出せません。ゲームごとに専用の液晶を作る必要がある。

制約だらけです。でも、その制約の中で遊びを成立させたのがすごい。

時計としても使えた

名前のとおり、時計機能が付いていました。アラームもある。

「ゲーム機を持っていく口実」として、これは効いたはずです。学校に持っていく言い訳ですね(笑)

今のスマートウォッチが「通知も見られる時計」なのと、発想は近いかもしれません。

今、この2台が壊れるとしたら

2機種それぞれで起きやすい故障をまとめた図

ゲームボーイミクロ

  • 内蔵バッテリーの膨張 — 内蔵式です。膨らむと薄い本体が歪みます
  • 専用充電端子PSP goと同じで、独自形状のケーブルが必要。これを失くしている個体が多い
  • アルミ外装のへこみ — 金属なので、落とすと戻りません。樹脂と違って、割れずに凹む
  • フェイスプレートの磁石が弱る — パネルが浮いてくる

ゲーム&ウオッチ

  • ボタン電池の液漏れ — これが最頻です。40年以上経っていますから
  • セグメント液晶の欠け — 表示の一部が出なくなる。接続部の劣化
  • 液晶の黒ずみ・にじみ — 経年で液晶自体が変質する

ゲーム&ウオッチの液晶は、交換部品が事実上ありません。ゲームごとに専用の液晶なので、代わりが作れないんですよ。

だから、これは本当に大事にしてください。動く個体は、年々貴重になっています。

改造メモ:どちらも「触りすぎない」が正解

この2機種は触りすぎないほうがよいことを示す図

この連載では毎回、整備の順番を書いてきました。でもこの2台については、少し違う書き方をします。

あまり触らないほうがいい。

ミクロの場合

アルミ外装は、一度傷を付けると隠せません。樹脂なら磨けばある程度ごまかせますが、金属は無理です。

また本体が小さいぶん、中の部品も密集しています。分解の難易度は見た目以上に高い。

やるとしたら、

  1. フェイスプレートの交換 — 工具不要。ここは自由に楽しんでOK
  2. 端子の清掃 — 綿棒で軽く
  3. バッテリー交換 — ここから急に難しくなります

ゲーム&ウオッチの場合

やるべきことは、ほぼ1つだけです。

電池を抜く。

これに尽きます。液漏れさえ防げれば、残りの劣化はゆっくりです。

液晶に手を出すのは、正直おすすめしません。失敗したら、その個体はもう戻りません。

小さいものが、いちばん残る

小さいものは捨てられずに引き出しの奥に残ることを示す図

最後に、この2台を並べて思うことを。

どちらも、当時の主流ではありませんでした。ミクロはDS Liteに埋もれ、ゲーム&ウオッチはファミコンの登場で役目を終えた。

でも今、どちらも高値で取引されています

理由を考えたんですが、たぶんこうです。

小さいものは、捨てられにくい。

大きい機械は、引っ越しのときに「場所を取るし、まあいいか」と処分されます。

でも小さいものは、引き出しの奥に入ったまま残るんですよ。存在を忘れられて、そのまま生き延びる。

うちの店にも、「押し入れの奥から出てきた」という小さな機械が持ち込まれることがあります。だいたい電池が漏れていますが、それでも生きて出てくる。

忘れられることが、結果的に保存になっている。ちょっと皮肉ですが、面白い話だなと思います(^^)

引き出しの奥、いちど探してみてください。何か出てくるかもしれません。出てきたら、まず電池を抜いてからご相談ください。

次回は、その「出てきた機械、いくらで売れるのか」という話をします(^^)


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