スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑、第19回。今日は小ささに振り切った機械を2台まとめて扱います。
ゲームボーイミクロと、ゲーム&ウオッチです。
時代は30年近く離れていますが、共通点があります。どちらも「小さいことそのものが価値」だった機械なんですよ。

ゲームボーイミクロ(2005年)
発売は2005年9月13日。価格は12,000円。
このとき僕は7歳。小学2年です。
大きさを聞いてください。幅101ミリ、高さ50ミリ、厚さ17.2ミリ。重さ約80グラム。
今のiPhoneより小さくて軽いんですよ。
手のひらに完全に収まります。ポケットに入れても、入っていることを忘れるレベル。
そして、質感が異常に良かった
ミクロがいまだに人気な理由は、正直見た目と手触りだと思います。
本体はアルミの削り出し。プラスチックじゃありません。
ひんやりして、しっとりしていて、金属特有の重みがある。同時期のDS Liteがツルツルの樹脂だったのと比べると、完全に別路線でした。
これ、今の高級スマホがやっていることと同じですよね。アルミやガラスの質感で「良いもの感」を出す。

画面が、めちゃくちゃきれい
もうひとつ驚くのが画面です。
2インチしかないのに、バックライト付きで明るく、発色がいい。
GBAの回で書いた「画面が暗い」問題、覚えていますか。あれを最終的に完全解決したのが、実はこのミクロなんですよ。
しかも明るさを調整できます。DS Liteの4段階と同じ発想です。
小さいけど見づらくない。むしろ当時いちばんきれいなGBAの画面でした。
ただし、致命的な弱点が
いいことばかり書きましたが、ミクロには大きな弱点がありました。
ゲームボーイとゲームボーイカラーのソフトが遊べません。
GBAのソフト専用です。DSiがGBAスロットを捨てた話と同じで、小型化のために互換性を捨てたわけです。
あと画面が小さいので、細かい文字のゲームはつらい。これは仕方ない。
結果、売れ行きとしては振るいませんでした。DS Liteが同じ時期に爆発的に売れていたのも大きかったと思います。
交換フェイスプレートという楽しみ
ミクロで特筆したいのが、前面のパネルを付け替えられることです。
マグネットと爪で留まっていて、工具なしでパカッと外せる。別デザインのプレートに交換できました。
これ、New 3DSの着せ替えプレートより9年早い。「殻を替えて自分のものにする」をメーカー公式でやった、最初期の例だと思います。
ゲーム&ウオッチ(1980年)
もう一台は、時代をぐっとさかのぼります。
発売は1980年4月。僕が生まれる17年前です。
これ、携帯ゲーム機の原点と言われている機械です。

ドット絵ですらない
いちばんの特徴は画面です。ドットがありません。
使われているのはセグメント液晶。電卓や時計の数字表示と同じ仕組みです。
どういうことかというと、あらかじめ決められた形だけが、表示されたり消えたりするんです。
たとえば「キャラクターが3歩目にいる絵」が、液晶にあらかじめ焼き付けてある。それを点けたり消したりして、パラパラ漫画のように見せている。
だから、自由な絵は一切出せません。ゲームごとに専用の液晶を作る必要がある。
制約だらけです。でも、その制約の中で遊びを成立させたのがすごい。
時計としても使えた
名前のとおり、時計機能が付いていました。アラームもある。
「ゲーム機を持っていく口実」として、これは効いたはずです。学校に持っていく言い訳ですね(笑)
今のスマートウォッチが「通知も見られる時計」なのと、発想は近いかもしれません。
今、この2台が壊れるとしたら

ゲームボーイミクロ
- 内蔵バッテリーの膨張 — 内蔵式です。膨らむと薄い本体が歪みます
- 専用充電端子 — PSP goと同じで、独自形状のケーブルが必要。これを失くしている個体が多い
- アルミ外装のへこみ — 金属なので、落とすと戻りません。樹脂と違って、割れずに凹む
- フェイスプレートの磁石が弱る — パネルが浮いてくる
ゲーム&ウオッチ
- ボタン電池の液漏れ — これが最頻です。40年以上経っていますから
- セグメント液晶の欠け — 表示の一部が出なくなる。接続部の劣化
- 液晶の黒ずみ・にじみ — 経年で液晶自体が変質する
ゲーム&ウオッチの液晶は、交換部品が事実上ありません。ゲームごとに専用の液晶なので、代わりが作れないんですよ。
だから、これは本当に大事にしてください。動く個体は、年々貴重になっています。
改造メモ:どちらも「触りすぎない」が正解

この連載では毎回、整備の順番を書いてきました。でもこの2台については、少し違う書き方をします。
あまり触らないほうがいい。
ミクロの場合
アルミ外装は、一度傷を付けると隠せません。樹脂なら磨けばある程度ごまかせますが、金属は無理です。
また本体が小さいぶん、中の部品も密集しています。分解の難易度は見た目以上に高い。
やるとしたら、
- フェイスプレートの交換 — 工具不要。ここは自由に楽しんでOK
- 端子の清掃 — 綿棒で軽く
- バッテリー交換 — ここから急に難しくなります
ゲーム&ウオッチの場合
やるべきことは、ほぼ1つだけです。
電池を抜く。
これに尽きます。液漏れさえ防げれば、残りの劣化はゆっくりです。
液晶に手を出すのは、正直おすすめしません。失敗したら、その個体はもう戻りません。
小さいものが、いちばん残る

最後に、この2台を並べて思うことを。
どちらも、当時の主流ではありませんでした。ミクロはDS Liteに埋もれ、ゲーム&ウオッチはファミコンの登場で役目を終えた。
でも今、どちらも高値で取引されています。
理由を考えたんですが、たぶんこうです。
小さいものは、捨てられにくい。
大きい機械は、引っ越しのときに「場所を取るし、まあいいか」と処分されます。
でも小さいものは、引き出しの奥に入ったまま残るんですよ。存在を忘れられて、そのまま生き延びる。
うちの店にも、「押し入れの奥から出てきた」という小さな機械が持ち込まれることがあります。だいたい電池が漏れていますが、それでも生きて出てくる。
忘れられることが、結果的に保存になっている。ちょっと皮肉ですが、面白い話だなと思います(^^)
引き出しの奥、いちど探してみてください。何か出てくるかもしれません。出てきたら、まず電池を抜いてからご相談ください。
次回は、その「出てきた機械、いくらで売れるのか」という話をします(^^)
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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