スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑、第14回。今日はPSP goです。
この連載でここまで、いろいろな機種を扱ってきました。でもいちばん語りたかったのは、たぶんこれです。
商業的には、失敗した機種と言われています。
でも僕は、これがいちばん正しかったと思っているんですよ。

2009年、円盤を捨てた
発売は2009年11月1日。価格は26,800円。
このとき僕は11歳。小学5年生です。
PSP goがやったことは、ひとことで言えます。
UMDドライブを、まるごと捨てた。
PSP-1000の回で書いたあの円盤です。あれを回すドライブを、本体から完全になくしました。
じゃあソフトはどうするのか。全部ダウンロードです。本体に16GBのメモリを内蔵して、そこに入れる。
結果、何が起きたか。
- 重さ:約189グラム → 約158グラム
- 幅がぐっと小さくなり、ポケットに入るサイズに
- 画面を上にスライドさせると、下からボタンが出てくるスライド機構
- ディスクを回さないので読み込み待ちがない・静か・電池も食わない
手に取ると、本当に小さいんですよ。「PSPってここまで小さくなるのか」と驚きました。

なのに、売れませんでした
理由は、はっきりしています。
1.今まで買ったUMDが使えない
これが最大の問題でした。
PSPを持っていた人は、当然UMDのソフトを何本も持っています。それが1本も使えない。
「乗り換えたら、今までのが全部ムダになる」——これは、さすがにきつい。
しかも当時、持っているUMDをダウンロード版に交換する仕組みが、日本ではほぼ用意されませんでした。ここは正直、詰めが甘かったと思います。
2.高かった
26,800円。同時期のPSP-3000より高いんです。
ディスクドライブを外して、部品を減らして、なのに高い。ユーザーからすると「なんで?」ですよね。
内蔵メモリと小型化にお金がかかっているんですが、そこは伝わりにくい。
3.ダウンロード版が、まだ揃っていなかった
そもそも「全部ダウンロードで買える」という前提が、2009年時点では成立していませんでした。
欲しいソフトがダウンロードで出ていない。これでは買えません。
4.中古で売れない・貸し借りできない
これも大きかったです。当時の子どもにとって、ソフトの貸し借りは文化でした。
僕も友達とよく貸し借りしていました。それができなくなる。中古屋で安く買うこともできない。
今考えると、これは「所有」から「利用」への転換だったんですよね。当時の僕らには、まだ早すぎた。
でも、今この話をするとどうでしょう

ここが今日の本題です。
今、僕らがスマホでやっていることを並べてみます。
- アプリは全部ダウンロード。パッケージなんて買わない
- 音楽も映画も配信。CDもDVDも持っていない
- 本体にディスクドライブなんて付いていない
- 買ったものはアカウントに紐づく。貸し借りはできない
全部、PSP goが2009年にやろうとしたことです。
今のゲーム機だって、ディスクドライブのないモデルが普通に売られています。むしろそっちが安い。
つまりPSP goは、方向としては完全に正しかった。ただ、時代が10年早かった。
早すぎると、正しくても負ける
これ、僕が仕事でもよく考えることなんですよ。
正しいことをやれば勝てる、というわけじゃない。タイミングが合わないと、正しくても負ける。
PSP goに足りなかったのは、技術じゃありませんでした。
- ネット回線が、まだ全員の家に十分な速さで来ていなかった
- ダウンロード販売の品揃えが追いついていなかった
- そして何より、人の気持ちが追いついていなかった
最後のやつがいちばん重いと思っています。
「手元にモノがないと、買った気がしない」。当時、みんなそう感じていました。僕もそうでした。
それが今では、誰もパッケージを買わない。10年で人の感覚のほうが変わったんです。

今、PSP goが壊れるとしたら
1.スライド機構(最大の弱点)
PSP go特有です。ここが本命。
画面部分をスライドさせると、下からボタンが出てくる構造。可動部があるということは、そこが弱点になります。
具体的には、
- スライドさせるたびに、内部のケーブルが動く。これが繰り返されて断線する
- レールの摩耗で、ガタつく・引っかかる
- 閉じたときのロックが甘くなる
この連載でずっと書いていることそのままです。動くところから壊れる。
折りたたみのヒンジと同じで、スライドも「動く配線」を持ってしまう。そして今、折りたたみスマホでまったく同じ問題が議論されています。
2.バッテリーの膨張
go の電池は本体内蔵で、簡単には外せません。ここは1000〜3000より不利な点です。
小さい本体に電池が詰まっているので、膨らむとスライドが動かなくなるという症状が出ます。「スライドが固い」と感じたら、電池を疑ってください。
3.独自端子の問題
goは充電も接続も独自の端子を使っています。
今となっては、このケーブルを探すのがひと苦労です。本体は無事でもケーブルがなくて使えない、という個体がけっこうあります。
これも今のスマホで通じる話で、独自端子はいずれ困るんですよね。だからこそ充電端子が世界的に統一される流れになったわけです。

改造メモ:goは難易度高めです
正直に書きます。PSP goは、この連載で扱った中でもかなり難しい部類です。
- 本体が小さいので、中に余裕がない
- スライド機構があるので、分解の手順が複雑
- 電池が内蔵で、交換に分解が必要
- そもそも玉数が少なく、交換部品が手に入りにくい
だから僕としては、最初の1台にはおすすめしません。1000や2000で練習してからのほうがいいです。
ただ、持っているなら大事にしてほしい機種でもあります。数が少ないぶん、状態のいい個体はどんどん貴重になっています。
保管するなら、スライドを閉じた状態で、直射日光の当たらない場所に。そして時々は電源を入れてください。リチウムイオン電池は、完全に空のまま放置するのがいちばん良くないので。
負けた機械のほうが、教えてくれることが多い

最後に。
この連載で扱ってきた機種の中で、PSP goはいちばん売れませんでした。生産期間も短く、市場から消えるのも早かった。
でも僕は、売れなかった機械のほうが面白いと思っています。
売れた機械は「良かったですね」で終わります。でも売れなかった機械には、なぜダメだったのかという理由が全部残っている。
技術は良かったのに、周りが追いついていなかった。中身は正しかったのに、伝え方が足りなかった。値段の説明ができていなかった。
これ、商売をやっていると、そのまま刺さるんですよ。
正しいだけでは、届かない。
うちがAIとか新しい仕組みを店に入れるときも、同じことを考えます。便利なのは分かっている。でも、お客さまとスタッフの気持ちが追いついているか。そこを外すと、どんなに正しくても使われない。
PSP goを開けるたびに、そんなことを考えています(^^)
スマホ119では、ゲーム機の修理・買取もやっています。PSP go は数が少ないので、状態がよければ買取でも面白い機種です。押し入れにあったら、ぜひ見せてください。
次回はPS Vita。有機ELの美しさと、あの専用メモリーカードの話をします(^^)
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
画面割れ・バッテリー・水没・データ復旧など、お気軽にご相談ください(^^)
店舗一覧/修理料金表/専務ブログ一覧
買取スマホ・ゲーム機の買取もやってます
画面割れ・水没・故障でも査定OK。iPhone / Android / Switch / PS / レトロまで、沖縄県内8店舗でその場現金・最短即日。まずは無料見積り&LINE写真査定から。
買取の無料見積りを見る ▶

コメント (0)