スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑、第12回。ここからはソニー勢に入ります。まずはPSP-1000。
この機種、初めて手に取ったときの感想をはっきり覚えています。
「なんか、大人っぽい」

2004年、ゲーム機が黒くて薄くなった
発売は2004年12月12日。価格は19,800円。
ニンテンドーDSの10日後です。同じ年の年末に、まったく違う思想の携帯機が2台出た。今考えると、すごい年でした。
このとき僕は7歳。誕生日を過ぎたばかりの小学1年生です。
DSが「みんなで遊ぶ、変わった形の機械」だったのに対して、PSPはまっすぐ「かっこよさ」で来たんですよ。
- ピアノブラックの光沢ボディ
- 横長の4.3インチ大画面。当時としては異常な大きさ
- 解像度480×272。DSの上画面が256×192なので、けっこうな差
子どもの目には、完全にお兄さんの持ち物に見えました。実際、僕のまわりでも最初に持っていたのは年上の子です。
そして、円盤が回っていた
PSPのいちばん変わっているところ。
UMDという小さな光ディスクを、本体の中で回していた。
背面のフタを開けると、直径6センチくらいの透明ケースに入った円盤を入れる。フタを閉じると、中で回り出します。
耳を近づけると、ちゃんと回転音がするんですよ。ウィーンって。

今の感覚だと信じられないですよね。手のひらサイズの機械の中で、物理的に円盤が回っている。
当時はこれが最先端でした。カセットよりたくさんのデータが入るし、安く作れる。映画のUMDまで売られていました。
ただ、修理屋の目で見ると、これは弱点の塊でもあります。
- 回るということは、モーターがある=寿命がある
- 読み取るレンズがある=汚れると読めなくなる
- フタの開閉がある=ヒンジと爪が割れる
- 回っている間は電気を食うし、読み込みで待たされる
そして何より、持ち運びながら円盤を回すわけです。歩いたら揺れますよね。
この矛盾を、後にソニー自身が解決しにいきます。その話はPSP goの回で。
この時代、何を遊んでいたか
モンスターハンターポータブル
PSPといえば、これを外せません。
友達の家に集まって、4人で狩る。3DSの回でも書きましたが、あの文化はPSPから始まっています。
ネット越しじゃなくてその場に集まるのが前提でした。誰かの家に、それぞれPSPを持って行く。あの感じ、今の子には伝わらないかもしれません。
グランツーリスモ
携帯機でこのグラフィックか、と驚いた記憶があります。車がちゃんと車に見える。
ちなみに僕、車が好きなんですが、その入口はこのあたりだった気がします(^^)
音楽と動画のプレイヤーとして
これも大事な話です。PSPはメモリースティックに音楽や動画を入れて持ち歩けました。
つまり、ゲーム機であると同時に携帯プレイヤーだったんです。
今のスマホがやっていることを、2004年の時点でだいたい詰め込んでいた。そう考えると、けっこうすごい機械ですよね。
本題:□ボタンが効かない

PSP-1000といえば、これです。初期型の有名な症状。
症状ははっきりしていて、□(しかく)ボタンだけ反応が悪い。押しても入らない、強く押さないと効かない。
なんで□だけなのか。
これは構造の問題だと言われています。□ボタンは本体の左端に近い位置にあって、その下の基板やフレームとのクリアランス(すき間)がぎりぎりだったんですね。
そこにボタンが干渉して、押し込みが浅くなる。
だから、この症状は使い方が悪かったわけじゃないんです。当たりの個体・外れの個体があった。
ソニーもこれは把握していて、後の2000型では内部構造が見直されています。
直せます
対処としては、
- ボタンの下の導電ゴムを掃除・交換する
- 干渉している部分をごくわずかに逃がす
- ボタン自体を新品に交換する
分解が必要なので簡単ではありませんが、直る症状です。中古で「□の効きが悪い」と書かれた個体が安く出ていることがあるので、直す前提なら狙い目でもあります。
今、PSP-1000が壊れるとしたら

1.バッテリーの膨張(最重要)
もう毎回書いていますが、PSPは特に注意してほしいです。
理由は、電池が背面にむき出しで入っているから。フタを開ければすぐ見えます。
つまり確認が簡単なんですよ。押し入れから出したら、まず背面のフタを開けてください。
電池がぷっくり膨らんでいたら、それ以上さわらない。押さない、曲げない、刺さない。SPの回で書いたとおりです。
2.UMDドライブが読まない
回転部とレンズの問題です。レンズの汚れなら清掃で戻ることがあります。
モーターやピックアップそのものが寿命なら、部品交換になります。
3.アナログパッドの摩耗
左下の、あの小さな出っぱりです。3DSのスライドパッドと同じ話で、こすれる部品は必ず減ります。
4.画面のドット抜け・黄ばみ
20年以上経っているので、液晶自体の劣化も出てきます。
改造メモ:PSPは電池から

PSPの整備は、順番がはっきりしています。
- バッテリー交換 — フタを開けるだけ。工具すら要りません。ここが最優先
- 端子の清掃 — 充電口とメモリースティックのスロット
- ボタンの導電ゴム交換 — □問題を含め、押し心地が戻ります
- 画面の交換 — 難易度は上がりますが、部品は手に入ります
PSPは電池が工具なしで外せるという点で、実はレトロ機の中でもかなり親切な機種です。
逆に言うと、電池を入れっぱなしにしやすいということでもあります。抜いておけば劣化はゆるやかになるので、長期保管するなら抜いてください。
「持ち歩きながら円盤を回す」という無茶

今日いちばん書きたかったのは、これです。
PSPは、据置機の考え方を、そのまま手のひらに持ってきた機械でした。
大画面、高解像度、光ディスク、音楽も動画も。全部「家でやっていたこと」を外に持ち出したんです。
だから無理もありました。電池はもたないし、読み込みは待たされるし、円盤は揺れる。
でも、その無茶があったから次に進んだとも思うんですよ。
この後、ソニーは円盤をやめる決断をします。そして世界は、ディスクを回さずにダウンロードする方向へ進みました。
今、僕らのスマホの中には動く部品がほとんどありません。ディスクもファンもない。だから静かで、丈夫で、薄い。
その代わり、壊れたら中身が取り出しにくいという別の問題も生まれました。世の中、うまくできてますね(笑)
スマホ119では、ゲーム機の修理・買取もやっています。押し入れのPSP、まず背面のフタだけ開けてみてください。それが今日いちばんのお願いです。
次回はPSP-2000と3000。薄くして、テレビにつないで、を実現した世代です(^^)
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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