スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
レトロゲーム改造図鑑、第1弾のラストです。今日はニンテンドーDS Lite。
正直に言います。この連載、ここを書きたくて始めたようなものです(笑)
僕の子ども時代の、ど真ん中なんですよ。

2006年、みんなが持っていた
発売は2006年3月2日。価格は16,800円。
このとき僕は8歳。小学2年生から3年生になるころです。
で、これはもう本当に、クラス全員が持っていました。
持ってない子のほうが珍しいくらい。休み時間に机の上に並べて、放課後は誰かの家に集まって。あの頃の子どもの人間関係の中心に、この白い機械があったと思います。
日本だけで1,000万台以上売れています。国民機と言っていい数字です。
何が変わったのか
初代DSからの変化は、持てば一瞬で分かるものでした。
- 薄くなった。初代の約28ミリから、約21ミリへ
- 軽くなった。約275グラムから、約218グラムへ
- 画面が明るくなった。しかも明るさを4段階で切り替えられる
とくに画面の明るさ調整、これが地味に効きました。
暗い部屋では暗く、外では明るく。しかも暗くすれば電池が長持ちする。ユーザーに選ばせるという発想ですね。
今のスマホにも当たり前に付いている機能ですけど、2006年の携帯ゲーム機に入っていたというのは、なかなかです。

この時代、何を遊んでいたか
ポケットモンスター ダイヤモンド・パール
2006年。僕の世代のポケモンといえば、これです。
大きかったのはWi-Fiで通信ができるようになったこと。それまでは、友達と会ってケーブルでつながないと交換できなかった。それが、家にいながら遠くの人と交換・対戦できるようになった。
今では当たり前ですけど、当時は衝撃でした。会わなくても、つながる。あの感覚を最初に教えてくれたのが、僕にとってはこれです。
ドラゴンクエストIX 星空の守り人

2009年。これは社会現象になりました。
理由はすれちがい通信。DSを持ち歩いているだけで、近くにいた別の人のデータと勝手にすれ違って、その人の作ったキャラが自分の宿屋に来る。
これがとんでもないことになって、街に人が集まりました。すれちがうためだけに、人が特定の場所に行くんですよ。ゲームが人の行動を変えた、すごい例だと思います。
レイトン教授シリーズ
謎解きをひたすら解いていくゲーム。アニメーションがすごくきれいで、大人も一緒にやってました。
これも、うちの家族でやってた記憶があります。答えが分からなくて、家族総出で唸るやつ(笑)
マリオカートDS
これはもう、対戦です。1台あれば、ソフトを持っていない友達とも遊べる仕組みがあって。あれのおかげで、誰かの家に集まればすぐレースが始まりました。
本題:ヒンジが割れる、という持病
さて。ここからが本業の話です。
DS Liteには、有名な持病があります。
ヒンジの根元が割れる。
中古で探したことがある人なら、商品説明に「ヒンジにヒビあり」と書いてあるのを何度も見たはずです。それくらい、みんな同じ場所が割れています。

なぜ、同じ場所ばかり割れるのか
これは偶然じゃなくて、構造上そうなるという話です。
理由を分解すると、こうなります。
1.力がそこに集中する
二つ折りの機械を開け閉めするとき、力はすべてヒンジにかかります。しかもDS Liteは薄いので、ヒンジ自体も細い。
細いところに力が集まる。これは必ず、そこから壊れます。
2.そこに配線を通す穴が空いている
前回書いたとおり、上下の画面をつなぐケーブルはヒンジの中を通っています。
ということは、いちばん力がかかる場所に、ケーブルを通すための穴が空いているということ。当然、そのぶん強度は落ちます。
3.プラスチックは経年で硬くなる
樹脂って、時間が経つと粘りがなくなって、パキッといくようになるんですよ。新品のときはしなって耐えたものが、20年後には割れる。
この3つが重なっているので、DS Liteのヒンジは、いつか必ず割れると言っていいと思います。
そのほかの定番故障

- LRボタンが効かない — アドバンスの回と同じ、タクトスイッチのへたり。DS Liteも本当に多いです
- バッテリーの膨張 — SPの回で書いたとおり。20年ものなので、ほぼ確実に劣化しています
- タッチの反応不良 — 前回のとおり、抵抗膜方式の消耗
- 上画面だけ映らない — ヒンジを通るケーブルの断線
並べてみると、この連載で書いてきたことが全部出てきますね(笑) でも、これが現実です。
「持病を知っている」ということ
ここで、修理屋として本当に伝えたいことを書かせてください。
今、僕はさらっと「DS Liteはヒンジが割れます」と書きました。
これ、知っているかどうかで全然違うんですよ。
たとえば中古で買うとき。ヒンジのところを開いて閉じて、根元にヒビがないか見る。それだけで、地雷を踏む確率がぐっと下がります。
そして修理でも同じです。「開くと画面が消える」と言われたとき、機種を聞いた時点で、だいたい見当がつく。
これ、うちがやっているスマホ修理でもまったく同じなんです。
機種ごとに弱点があります。この機種はここが熱を持ちやすい。この世代は充電口がヘタりやすい。この型は画面のフレキが弱い。
そういうのを、うちは20万件以上の修理の中で溜めてきました。だから「その症状なら、たぶんここです」と最初に言える。
これは技術というより、積み重ねた記録なんですよね。何年も同じ機械を触り続けた店にしか貯まらないものです。
だから僕は、この連載で古い機械の壊れ方を書くのが、けっこう真面目に仕事だと思っています(^^)
改造メモ:DS Liteは、整備が楽しい機種
DS Liteは中古の玉数が多いので、練習台としても実用機としても優秀です。
- 殻(シェル)の交換 — 割れたヒンジごと殻を新品にできます。傷だらけの本体が生き返るので、いちばん達成感がある作業かもしれません。ただし基板を全部移し替えるので、手順は長め
- バッテリー交換 — ネジ数本で到達できます。まずここから
- LRのタクトスイッチ交換 — はんだ付けの練習に、ちょうどいい難易度
- タッチパネル交換 — 反応が悪いなら効果は絶大
ちなみに殻の交換をするときは、ヒンジを通るケーブルを絶対に折らないこと。ここが今回の全部です。細いフィルムなので、変な角度で曲げると一発で終わります。
この「フレキを傷つけない」感覚、うちの新人にも最初に叩き込む部分なんですよ。急いで引っ張ると切れる。焦らず、根元から、まっすぐ。
第1弾、ここまで読んでくれてありがとうございます

7回にわたって、1989年から2006年までを歩いてきました。
あらためて並べてみると、面白いことに気づきます。
- 初代は電池の液漏れで壊れる
- カラーはボタン電池切れで記録が消える
- アドバンスはボタンが効かなくなる
- SPは充電池が膨らむ
- DSはタッチとケーブルがやられる
- DS Liteはヒンジが割れる
全部ちがう壊れ方に見えて、実は共通しているんです。
動くところと、電気を貯めるところから壊れる。
これ、今のスマホもまったく同じなんですよ。壊れるのは、電池と、押すところと、曲がるところ。30年変わっていません。
だから僕は、古い機械を開けるのが好きなんだと思います。今の機械を理解するのに、いちばん役に立つから。
そしてもうひとつ。
子どもの頃、僕は父にもらった機械で遊ぶだけの側でした。壊れたら、それで終わりだった。
今は、開けて直せます。20年前に自分が遊んだ機械を、自分の手でまた動かせる。これって、なかなか幸せなことだなと思うんですよ(^^)
スマホ119では、スマホやiPhoneはもちろん、ゲーム機の修理・買取もやっています。押し入れで眠っている機械があったら、いちど見せてください。
思ったより元気なこともありますし、逆に電池が危ない状態のこともあります。どちらにしても、早いほうがいいです。
次回からは第2弾。DSi、3DS、そしてPSPやPS Vitaのあたりに入っていきます。僕がいちばんリアルタイムで通った世代なので、たぶんもっと熱くなります(笑)
また読んでもらえたら嬉しいです。ありがとうございました!
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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