スマホ119 専務の現場ノート
専務ブログ現場から、次の119へ。
壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。
- 修理歴 11年たたき上げ
- 全 8 店舗現場を統括
- 育てる仲間と技術
背中で教えて、言葉で渡す。
こんにちは、専務の富村レオです(^^)
改造図鑑、4回目にしてようやくここまで来ました。ゲームボーイアドバンスです。
ここからは、僕自身が実際にさわった世代の話になります。ようやく伝聞じゃなくなる(笑)

2001年、ゲーム機が横になった

発売は2001年3月21日。価格は9,800円。
このとき僕は3歳です。さすがに発売日の記憶はありません。
ただ、物心ついたときには家にあって、たぶん僕が人生ではじめて自分の意思でさわったゲーム機がこれなんですよ。だから思い入れが違います。
というのも、うちの父がとにかく新し物好きだったんです。
那覇のマンションに住んでいたんですが、リビングがちょっと変わっていて。大きなテレビと本格的な音響システムがあって、レーザーディスクが並んでいる。ほぼ映画館でした。
壁一面にスターウォーズのフィギュアが並んでいて、廊下の天井にはミレニアム・ファルコン号が飛んでいる。玄関にはR2-D2とC-3PO、ヨーダがいる。
今書いていて、なかなかの家だなと思いました(笑)
そんな家なので、気づいたらいつも新しい機械が家にあるんですよ。僕が機械好きになったのは、まあ、環境ですよね。父のおこぼれで育ったようなものです。
いちばんの変化は、見た目で分かるやつ。縦持ちから、横持ちになった。
それまでのゲームボーイは、画面が上でボタンが下。縦長でした。それが横に寝て、画面を真ん中に、左右にボタンが来た。
今のゲームコントローラーとほぼ同じ配置ですよね。両手でしっかり握れるようになったんです。

中身も一気に強くなりました。ざっくり言うと、性能はスーパーファミコン級。据置機で遊んでいたようなゲームが、手のひらで動くようになったわけです。
そして本体上部にLとRのボタンが追加されました。人差し指で押すやつです。
これが操作の幅を一気に広げた…んですが、同時に20年後の泣きどころにもなります。後半で詳しく書きますね。
この時代、何を遊んでいたか
ポケットモンスター ルビー・サファイア
2002年。僕が本格的にポケモンを始めたのは、この世代です。
とにかく画面がキレイになりました。それまでの2色や56色じゃなく、ちゃんと色がある。海の青が、ちゃんと青いんですよ。
そしてダブルバトルが入ったのもここから。2体対2体で戦う。これで一気に戦略が深くなりました。
あと、この作品には後で泣かされます。ルビー・サファイアのカセットにも時計用のボタン電池が入っているので、前回書いた金銀と同じ運命をたどるんです…。
ファイアーエムブレム 烈火の剣
2003年。仲間が死ぬと二度と帰ってこない、あのシリーズです。
子どもの頃、あれで初めて「リセットする」という行為を覚えました(笑) 大事なキャラがやられた瞬間に電源を切る。あの指の動き、体が覚えてます。
今思うと、失敗が取り返しつかないという緊張感を、子どもに教えてくれたゲームだった気がします。
逆転裁判
2001年。法廷で証言の矛盾を突く、というまったく新しいゲーム。
アクションでもRPGでもない。ひたすら読んで、考えて、指を突きつける。携帯ゲーム機でこれをやろうと思った発想が、そもそもすごい。
子どもには言葉が難しかったんですけど、それでも夢中になりました。
そして伝説の「画面が暗い」問題

アドバンスの話をするなら、これを避けては通れません。
画面に、明かりが付いていない。
初代ゲームボーイからずっとそうだったので、当時は「そういうもの」でした。でもアドバンスは映像がキレイになったぶん、暗さがより惜しく感じられたんですよ。
だからみんな、光を探すことになります。
- 窓際に移動する
- 電気スタンドの真下に行く
- 車の中では、街灯が通り過ぎる一瞬だけ画面が見える
この「夜、車の後部座席で街灯のタイミングに合わせて遊ぶ」やつ、同世代なら分かってもらえると思います(笑)
任天堂も分かっていて、ライトを外付けする周辺機器まで売られていました。本体の端子に差して、画面の上から照らすやつです。
これ、今の目で見ると笑い話みたいですけど、ちゃんとした技術的な理由があるんです。
当時、明るい液晶を積むと電池を食うんですよ。単三2本で長時間もたせるという設計を守るなら、光らせない反射型のほうが合理的だった。安いから手を抜いたわけじゃなくて、電池を取ったんです。
この判断、今のスマホ選びでもそのまま通じる話ですよね。画面をキレイにすれば電池が減る。どっちを取るか。メーカーはずっとこの綱引きをやっています。
今、アドバンスが壊れるとしたら
1.LRボタンが効かない(ダントツで多い)

アドバンスといえば、これ。持病レベルで定番です。
症状は、押しても反応しない、強く押さないと効かない、押した感触がなくなる、など。
原因は、中に入っているタクトスイッチという小さな部品です。カチカチ押す、あの金属のドームが入ったスイッチ。
これ、押されるたびに金属のドームがへこんで戻るという動きをしています。単純な構造ですが、数万回、数十万回と押されればへたる。ドームが戻らなくなったり、接点にホコリや酸化膜が入って電気が通らなくなる。
とくにLとRは、本体の端にあってホコリが入りやすい。さらに指の力がまっすぐ入りにくい位置なので、負担が偏るんです。
これ、うちでやっているスマホの音量ボタンや電源ボタンの修理と、まったく同じ話なんですよ。
「ボタンが効かない」と言われたら、僕らはまず接点を疑います。中の小さなスイッチを交換すれば、たいてい直る。2001年のゲーム機も、2026年のスマホも、押しボタンの構造はそんなに変わっていません。
2.電池ボックスの腐食
もはや毎回書いてますが、これです。単三2本を入れっぱなしにしていた個体は、ほぼやられています。
3.音が出ない・ガリガリ言う
音量つまみの酸化と、スピーカーの劣化。ここは掃除か部品交換で戻ることが多いです。
改造メモ:IPS液晶化は、ここが本番
ようやく、この連載でいちばん書きたかった話です。
レトロゲーム改造で最大の人気を誇るのが、アドバンスのIPS液晶化。

何をするかというと、あの暗かった反射型の画面を取り外して、バックライト付きの現代的なIPS液晶に載せ替えるんです。
結果どうなるか。20年前のゲームが、信じられないくらいクッキリ映ります。
暗い部屋でも見える。色が鮮やかに出る。当時「街灯を探していた」あの苦労が、まるごと消える。
これが人気なのは、単に便利だからじゃないと思うんですよ。
当時できなかったことが、今できるようになる。この感覚がたまらないんです。子どもの頃に感じた不便を、大人になった自分の手で解消する。ちょっと感動しますよ、これ。
ただし、簡単ではありません。
- 液晶が大きくなるので、本体の殻を削って隙間を作る必要がある機種・組み合わせがある
- 細いケーブルの取り回しがシビアで、挟むと一発で断線する
- ものによっては、はんだ付けが必要
削るという工程があるので、失敗すると元に戻せません。大事な1台でいきなり挑戦するのは、正直おすすめしないです。
他にも、
- LRのタクトスイッチを新品に交換して押し心地を戻す
- 殻を丸ごと交換して見た目を復活させる
- スピーカーを替えて音を良くする
このあたりは比較的やさしい部類。まずはボタンの交換からが、僕のおすすめです。
不便だったものが、直せるようになる
アドバンスの話を書いていて、あらためて思ったことがあります。
子どもの頃の僕は、画面が暗いことに文句を言うしかなかった。街灯を探すしかなかった。
でも今は、開けて、直して、良くすることができるんですよね。
これって、修理という仕事の本質そのものだと思っていて。壊れたものを元に戻すだけじゃなくて、元より良くできることもある。
うちに来られるお客さまでも、画面交換のついでに「せっかくだから保護フィルムもちゃんと貼りましょうか」とか、バッテリー交換のときに「充電の癖をこうすると長持ちしますよ」とか、そういう話をよくします。
直すだけで終わらせない。ちょっとでも良くして返す。そのほうが、渡すときにお互い気持ちいいんですよ(^^)
スマホのバッテリー交換や画面の不調も、放っておくと悪化することがほとんどです。気になったら早めにご相談ください。
次回は、ゲームボーイアドバンスSP。ついに画面が光り、そして充電池が内蔵された世代です。ということは…そう、あの話をします(笑)
スマホ119は沖縄県内に8店舗を構えるスマホ・iPhone修理店です。スマホだけでなく、ゲーム機(Switch・PS・3DS・PSP等)の修理・買取も承っています。
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