スマホ119

専務ブログ

沖縄のスマホ修理のお医者さん

スマホ119 専務の現場ノート

専務ブログ現場から、次の119へ。

壊れたiPhoneを自分で直したあの日から、修理ひと筋で11年。いまは専務として全店舗の現場を回り、仲間の技術と心に火をつけるのが仕事です。スマホ119を責任持って引っ張っていく覚悟と、現場で起きているリアルを、そのまま書いていきます。

専務スマホ119 専務 富村 レオ
  • 修理歴 11たたき上げ
  • 8 店舗現場を統括
  • 育てる仲間と技術
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専務の富村レオが店舗の作業台でスタッフ2人に修理技術を指導しているイラスト 背中で教えて、言葉で渡す。
DS Liteのヒンジが割れるのはなぜか|専務のレトロゲーム改造図鑑⑦
2026.08.03 0

こんにちは、専務の富村レオです(^^)

レトロゲーム改造図鑑、第1弾のラストです。今日はニンテンドーDS Lite

正直に言います。この連載、ここを書きたくて始めたようなものです(笑)

僕の子ども時代の、ど真ん中なんですよ。

小学生時代に友達とDS Liteで遊んだ思い出と、大人になって修理する4コマ漫画

2006年、みんなが持っていた

発売は2006年3月2日。価格は16,800円

このとき僕は8歳。小学2年生から3年生になるころです。

で、これはもう本当に、クラス全員が持っていました

持ってない子のほうが珍しいくらい。休み時間に机の上に並べて、放課後は誰かの家に集まって。あの頃の子どもの人間関係の中心に、この白い機械があったと思います。

日本だけで1,000万台以上売れています。国民機と言っていい数字です。

何が変わったのか

初代DSからの変化は、持てば一瞬で分かるものでした。

  • 薄くなった。初代の約28ミリから、約21ミリへ
  • 軽くなった。約275グラムから、約218グラムへ
  • 画面が明るくなった。しかも明るさを4段階で切り替えられる

とくに画面の明るさ調整、これが地味に効きました。

暗い部屋では暗く、外では明るく。しかも暗くすれば電池が長持ちする。ユーザーに選ばせるという発想ですね。

今のスマホにも当たり前に付いている機能ですけど、2006年の携帯ゲーム機に入っていたというのは、なかなかです。

初代DSとDS Liteの厚みと明るさを比較したイラスト

この時代、何を遊んでいたか

ポケットモンスター ダイヤモンド・パール

2006年。僕の世代のポケモンといえば、これです。

大きかったのはWi-Fiで通信ができるようになったこと。それまでは、友達と会ってケーブルでつながないと交換できなかった。それが、家にいながら遠くの人と交換・対戦できるようになった。

今では当たり前ですけど、当時は衝撃でした。会わなくても、つながる。あの感覚を最初に教えてくれたのが、僕にとってはこれです。

ドラゴンクエストIX 星空の守り人

すれちがい通信で街に人が集まった2009年の情景イラスト

2009年。これは社会現象になりました。

理由はすれちがい通信。DSを持ち歩いているだけで、近くにいた別の人のデータと勝手にすれ違って、その人の作ったキャラが自分の宿屋に来る。

これがとんでもないことになって、街に人が集まりました。すれちがうためだけに、人が特定の場所に行くんですよ。ゲームが人の行動を変えた、すごい例だと思います。

レイトン教授シリーズ

謎解きをひたすら解いていくゲーム。アニメーションがすごくきれいで、大人も一緒にやってました。

これも、うちの家族でやってた記憶があります。答えが分からなくて、家族総出で唸るやつ(笑)

マリオカートDS

これはもう、対戦です。1台あれば、ソフトを持っていない友達とも遊べる仕組みがあって。あれのおかげで、誰かの家に集まればすぐレースが始まりました。

本題:ヒンジが割れる、という持病

さて。ここからが本業の話です。

DS Liteには、有名な持病があります。

ヒンジの根元が割れる。

中古で探したことがある人なら、商品説明に「ヒンジにヒビあり」と書いてあるのを何度も見たはずです。それくらい、みんな同じ場所が割れています。

DS Liteのヒンジが割れる3つの理由を示す図解

なぜ、同じ場所ばかり割れるのか

これは偶然じゃなくて、構造上そうなるという話です。

理由を分解すると、こうなります。

1.力がそこに集中する

二つ折りの機械を開け閉めするとき、力はすべてヒンジにかかります。しかもDS Liteは薄いので、ヒンジ自体も細い。

細いところに力が集まる。これは必ず、そこから壊れます。

2.そこに配線を通す穴が空いている

前回書いたとおり、上下の画面をつなぐケーブルはヒンジの中を通っています。

ということは、いちばん力がかかる場所に、ケーブルを通すための穴が空いているということ。当然、そのぶん強度は落ちます。

3.プラスチックは経年で硬くなる

樹脂って、時間が経つと粘りがなくなって、パキッといくようになるんですよ。新品のときはしなって耐えたものが、20年後には割れる。

この3つが重なっているので、DS Liteのヒンジは、いつか必ず割れると言っていいと思います。

そのほかの定番故障

DS Liteで起きやすい4つの定番故障のまとめ図
  • LRボタンが効かないアドバンスの回と同じ、タクトスイッチのへたり。DS Liteも本当に多いです
  • バッテリーの膨張SPの回で書いたとおり。20年ものなので、ほぼ確実に劣化しています
  • タッチの反応不良 — 前回のとおり、抵抗膜方式の消耗
  • 上画面だけ映らない — ヒンジを通るケーブルの断線

並べてみると、この連載で書いてきたことが全部出てきますね(笑) でも、これが現実です。

「持病を知っている」ということ

ここで、修理屋として本当に伝えたいことを書かせてください。

今、僕はさらっと「DS Liteはヒンジが割れます」と書きました。

これ、知っているかどうかで全然違うんですよ。

たとえば中古で買うとき。ヒンジのところを開いて閉じて、根元にヒビがないか見る。それだけで、地雷を踏む確率がぐっと下がります。

そして修理でも同じです。「開くと画面が消える」と言われたとき、機種を聞いた時点で、だいたい見当がつく

これ、うちがやっているスマホ修理でもまったく同じなんです。

機種ごとに弱点があります。この機種はここが熱を持ちやすい。この世代は充電口がヘタりやすい。この型は画面のフレキが弱い。

そういうのを、うちは20万件以上の修理の中で溜めてきました。だから「その症状なら、たぶんここです」と最初に言える。

これは技術というより、積み重ねた記録なんですよね。何年も同じ機械を触り続けた店にしか貯まらないものです。

だから僕は、この連載で古い機械の壊れ方を書くのが、けっこう真面目に仕事だと思っています(^^)

改造メモ:DS Liteは、整備が楽しい機種

DS Liteは中古の玉数が多いので、練習台としても実用機としても優秀です。

  • 殻(シェル)の交換 — 割れたヒンジごと殻を新品にできます。傷だらけの本体が生き返るので、いちばん達成感がある作業かもしれません。ただし基板を全部移し替えるので、手順は長め
  • バッテリー交換 — ネジ数本で到達できます。まずここから
  • LRのタクトスイッチ交換 — はんだ付けの練習に、ちょうどいい難易度
  • タッチパネル交換 — 反応が悪いなら効果は絶大

ちなみに殻の交換をするときは、ヒンジを通るケーブルを絶対に折らないこと。ここが今回の全部です。細いフィルムなので、変な角度で曲げると一発で終わります。

この「フレキを傷つけない」感覚、うちの新人にも最初に叩き込む部分なんですよ。急いで引っ張ると切れる。焦らず、根元から、まっすぐ。

第1弾、ここまで読んでくれてありがとうございます

第1弾で紹介した6機種の壊れ方をまとめた一覧図

7回にわたって、1989年から2006年までを歩いてきました。

あらためて並べてみると、面白いことに気づきます。

  • 初代は電池の液漏れで壊れる
  • カラーはボタン電池切れで記録が消える
  • アドバンスはボタンが効かなくなる
  • SPは充電池が膨らむ
  • DSはタッチとケーブルがやられる
  • DS Liteはヒンジが割れる

全部ちがう壊れ方に見えて、実は共通しているんです。

動くところと、電気を貯めるところから壊れる。

これ、今のスマホもまったく同じなんですよ。壊れるのは、電池と、押すところと、曲がるところ。30年変わっていません。

だから僕は、古い機械を開けるのが好きなんだと思います。今の機械を理解するのに、いちばん役に立つから。

そしてもうひとつ。

子どもの頃、僕は父にもらった機械で遊ぶだけの側でした。壊れたら、それで終わりだった。

今は、開けて直せます。20年前に自分が遊んだ機械を、自分の手でまた動かせる。これって、なかなか幸せなことだなと思うんですよ(^^)

スマホ119では、スマホやiPhoneはもちろん、ゲーム機の修理・買取もやっています。押し入れで眠っている機械があったら、いちど見せてください。

思ったより元気なこともありますし、逆に電池が危ない状態のこともあります。どちらにしても、早いほうがいいです。

次回からは第2弾。DSi、3DS、そしてPSPやPS Vitaのあたりに入っていきます。僕がいちばんリアルタイムで通った世代なので、たぶんもっと熱くなります(笑)

また読んでもらえたら嬉しいです。ありがとうございました!


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